百日咳菌が引き起こす、遷延する咳嗽発作を主症状とする急性気道感染症です。最近増加傾向にあります。
当院でのデータを示します。
2007年および2011年の診断基準を用いて百日咳症例を診断し、その差を検討しました。また、各症例のDPT歴を調べ現行のワクチン制度の問題点を考えました。
対象は2008年4月から2012年3月までの4年間に当院を受診した患者さんのうち、2週間以上咳嗽が続き、発熱、喘鳴を伴わない79症例について、百日咳菌抗体価を細菌凝集法およびEIA法で測定しました。
結果
年齢別の症例数を示す。検査した症例、2007年、20011年基準すべて6-10歳で最も多く、続いて11-20歳、31歳以上、1-5歳の順でした(図1)。
2007年および2011年診断基準による百日咳症例におけるDPT接種歴の詳細を示している。多くの症例で4回接種されていた。不明の症例は全員30歳以上の成人でした(図2)。
日本とアメリカのDPTワクチン接種状況を示している。18ヶ月まではほぼ同様です。アメリカでは4-5歳で追加、さらに(2005年から)11-18歳で推奨、(2006年から)定期接種、2007年から成人に推奨されている。今回の検討でも6歳前後、11歳前後は最も感染者が多く認められた年齢であり、アメリカの制度は非常に妥当と思われた。我が国でも、最低限、11-12歳のDTをPを含むワクチンに変更すること、できれば4-6歳で追加接種をすることが必要だと思われます(図3)。
まとめ(図4)
DPTワクチンを受けましょう!!!