麻疹(はしか)は最近、ほとんど見かけなくなりましたが、子ども(大人も)にとって本当にしんどい病気です。症状は良くご存知だとは思いますが、発熱、咳嗽などで始まり、いったん少し解熱傾向の後、再び高熱が出現し顔面、体幹、四肢に発疹が出現します。合併症も多く、入院する場合も多くみられます。詳しくはインターネットなどで調べてください。
H14年11月からH15年5月までに東予地区で麻疹が小流行しました。
当時まとめたデータを示します。
18歳未満の症例は195例でワクチン接種している者は22例、18歳以上の成人麻疹では110例のうちワクチン接種例は18例でした(図1)
ワクチンを接種しているのに麻疹に罹患した40例についてまとめました(図2)。
Vaccine failure(ワクチン効果不全)40例のまとめです。18歳以上で入院が多い意外に差はありませんでした。ワクチン種の検討ではビケンワクチンが多い傾向があったが、不明が多く、ワクチンの流通も不明なため結論は出ませんでした。
今回検討のまとめ
1. 305症例のうち40例(13.1%)がワクチン接種の既往があり、Vaccine failure(ワクチン効果不全)であり、18歳未満、18歳以上ではそれぞれ11.3%、16.4%にみられました。
2. 症状は抗体価を測定しなければ麻疹と診断できない軽症例から通常麻疹 までみられたが、18歳以上の成人麻疹の方がやや重症であった。通常麻疹症例では症状からPVF(ワクチン接種したが抗体ができなかった)とSVF(一度は抗体が上昇したが時間の経過で抗体が消失した)とを区別することは困難でした。
3. Vaccine failureの要因としてワクチン種、接種年齢、罹患 までの期間な どを検討しましたが、明らかな要因は不明でした。
H18年6月からMRワクチンの2回接種が開始されました。
風疹
風疹はH25年都市部を中心に小流行が認められ、ワクチンの欠品もみられました。幸い当地区には流行はみられませんでした。この病気の症状は麻疹と比べますと、軽くしんどい病気ではありませんが、妊娠早期の妊婦さんが感染しますと、胎児に感染し心臓病、難聴、目の障害などの先天性風疹症候群という恐ろしい病気を起こすことがあります。
MRワクチンを受けましょう!!!